精神と物質のあいだ

哲学系ブログ。あたりまえの中にあるあたりまえじゃなさについて書いています。

私はいない②

 

この記事は
「私はいない①」
の続きです。
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チョキを作ったとき

人差し指と中指はまっすぐ伸ばす。
薬指と小指は全部の関節を曲げ
親指の関節を最後に曲げて
薬指と小指の上に乗せる

と、ちゃんとそれぞれ意識して
手を動かしましたか?

ちなみに、
筋肉を動かさないと
指は動かないはずなのですが、
筋肉も意識して動かしましたか?

ほとんどの方はそこまで考えず
チョキを作ったのではないでしょうか。

驚くべきことに、
自分でしたことは
「チョキ」
と思うことだけで、
それ以外は何もしておらず、
筋肉や関節が動くのは
脳が伝達物質を勝手に出してくれる
おかげで
自分の意思ではないんです。

※ここから
脳が脳がといっぱい書きますが
脳科学詳しくないので
間違ってたら教えてください(><;)

「『チョキ』と思った時点で
手を動かす伝達物質が出るように
脳がそうなっている。
自分の意思で脳を動かしたのだから、
やっぱり
自分の意思で手足を動かしている。」
となら言えそうです。

それでは
「チョキ」
とどうやって思いましたか?

自分の意思でそう思ったんだとしたら、
「これから『チョキ』と思うぞ」
思って
「チョキ」
と思ったはずなのですが。。
これはないですよね。笑

「『手でチョキを作ってみてください。』
という文を読んだから、脳が反応して
『チョキ』と思う伝達物質を出した。」
と言えるかもしれません。

ということは
「『チョキ』と思う」
ことすら自分でしておらず、
脳が伝達物質を出した結果だった、
ということです。

このように
自分の意思に「自分」の入る余地はなく、
脳が伝達物質を出した結果、
つまり
自分の意思も
心臓や消化器の動きと同じく
勝手に起こる自然現象といえるのです。

人の活動全てが自然現象となると
自分でコントロールしていると思っている
「自分」はおらず、
人も動物も植物もあまり変わりません。
自然現象ということは
雨が降るのや、
地球が回っているのとも
根本的には同じで
勝手に起こっているものだ
ということです。

高層ビルも原発も、
自然現象の結果造られた物で、
自然の一部とも言えるのです。

私たちは理性を持っているので
一見すると
自然と対抗しているように見えますが、
結局理性すら自然の手の内で、
この世は刻々と変化し続ける
自然の活動だけしかなかった、
ということになるのです。