精神と物質のあいだ

哲学系ブログ。あたりまえの中にあるあたりまえじゃなさについて書いています。

水商売の価格内訳 ー女と酒というよりもー

こんにちは。ナナコです。

先日、銀座のクラブに行く機会があったので、水商売考察です。
※面倒なのでクラブで統一して書きます。


 

平日だったので、会社の接待でしょうか、スーツ姿のおじさまたちが多かったです。
みんな満面の笑みで、身振り手振りが大きい。こんな幸せそうで楽しそうなサラリーマンを、見たことがない。機嫌良く仕事するに越したことはないと思うので、会社の福利厚生で、クラブをおいてほしい。。

それと比べてお姉さまたちのクールさといったら。
姿勢崩れない。
微笑み崩れない。
中身が減ったグラスにお酒を注ぐのを忘れない。
酔っ払って羽目外してケガした、というお話も聞きましたが、基本完璧。いい女。

2時間弱で、ウン万円超のお支払い。ディズニーが7400円で1日いられることを考えると……(||゜Д゜)

でも、いい気分になれる。
キラキラした店内。
どんどん注がれるお酒。
チヤホヤしてくれる、きれいな女の人。
あっという間に消えるお金……
落ち着いた雰囲気の店内ではあったけれど、気分が高揚する要素が盛りだくさん。

「なんで高い金払って、こっちが気を使わなきゃいけない?」という理由で、そういうお店に行くことを嫌う人もいますが、高いお金を払うこと自体が、いい気分になる要素になりえます。高いお金を遊びに使える、つまり、無駄なことに使えるくらい、お金を持っている、という優越感を得られるからです。

クラブへ行く人たちは、お金で何を買っているのか?
基本料金が時間単位で設定されている。
普通に行って帰ってくるだけだったら、手元に何も残らない。
ということは、素敵な場所で、おいしいお酒を飲みながら、素敵な女の人にチヤホヤされていい気分になれる「時間」を買っている、と言えるでしょう。接待で使われるのも、よく分かります。

これがクラブでなかったら、多分、思いっきり楽しめない。チヤホヤしてくれる素敵なお姉さまがリアルで現れたとしても、大なり小なり警戒心や懸念が出てきてしまうのではないでしょうか。

嘘は、楽しい。
私は遊園地のフリーフォールとかの絶叫系の乗り物が大好きです。高いところから落ちるときの怖さが好き。でも、本当に地面に激突するとしたら、乗れません。「フリーフォール」といいつつ、フリーじゃなくて、ちゃんと安全対策がされているから乗っています。そして、安全だと分かっていても、やはり怖さは感じます。

現実は、楽しくない。
高いところからフリーフォールしたら、死ぬ。大怪我する。

クラブとは、現実から、特定の気分になれる項目だけ抽出して作り上げられた、嘘の空間である、と言えるでしょう。

ところで、私たちは、日用品はなるべく安く買いたがるけれども、娯楽に関しては、原価の何倍もの値段を払ったりします。人は気分や感覚に価値をとても重く置いているように思います。
もし、生命維持等の絶対の安心・安全が保証されているとしたら、嘘でも娯楽を求め続ける人の方が多い、のかも。。